日程:2006年5月19日(金)
会場:稚内北星学園大学 東京サテライト校
   〒101-0021 東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル 12階
   http://www.daibiru.co.jp/tokyo/akihabara/index.html
特集:受け容れるインタフェース、および一般
発表申込締切:2006年3月24日
原稿締切:2006年4月24日必着
プログラム
●一般セッション(1) [09:30~10:20]
(1)ベイズ統計を用いた顔性差認知モデル:千葉真大, 田口善弘(中央大学理工学部物理学科)
顔の性差の認知には特徴的な特定部分が使われていることはよく知られている。最近、人間の認知過程にベイズ統計が使われていることが示唆されているが、顔の性差認識にベイズ統計を使った単純なモデルを応用したところ、既知の顔の性差の特徴と矛盾しない特徴認識を行うことが解った。また、女性の顔ばかり見ていると中性的な顔も男性に見えると言うよくしられた現象とも矛盾しない結果を得たので報告する。
(2)Multicket: 液晶タブレットを利用した複数人同時対応インタフェース:丸山泰史(マッキンゼー),五十嵐健夫(東京大学)
これまで,コミュニケーションを支援するインタフェースが数多く提案されてきたが,それらは1対1あるいはグループでひとつのトピックを扱うタスクを対象にしており,一人で複数人に個別かつ同時に対応するタスクについては十分な検討が行われていない.そこで,我々は複数人同時対応を支援するインタフェースの検討を行った.我々は鉄道の発券業務を対象とし,オペレータとクライアントが,共有するディスプレイを通じてやりとりを行うMulticketシステムを開発した.ユーザテストの結果,対象としたタスクにおいては複数人同時対応を行うことによって効率が上がることを確認した.また,複数人対応を支援するためのスケジューリング機能の有用性を確認した.被験者の声から,テスト環境では使用感に2人と3人の間に大きな壁があること,負荷が高まるほどUI支援が重要になることがわかった.我々はユーザテストの結果をもとに,複数人同時対応を支援するシステムにとって重要となる点の検討を行った.

●特集:受け容れるインタフェース [10:35~11:50]

(3)FlyingForm: 電子ペンを利用した紙フォーム記入の先読みシステム:丸山泰史(マッキンゼー),五十嵐健夫(東京大学)
ペンストロークを電子的に読み取るデバイスを利用し,リアルタイムに記入内容をオペレータに送ることによって,依頼者の待ち時間を短縮する手法を提案する.この手法では,オペレータは依頼者の記入完了を待たずに,送られてきた記入内容を順次処理していく.これにより,依頼者は定型フォームに用件を記入するという従来のスタイルそのままで,短い待ち時間の恩恵を享受できる.我々はこの手法について,実際の手続きを対象としてシステムを試作し,ユーザスタディを行った.この結果,提案手法の有効性とともに,実用システム開発の際に有用な示唆を得ることができた.
(4)コミュ自慢~物理タグを介したコミュニケーションと情報アクセスの拡張の提案~:水口充,中村聡史(NICT)
個人の属性/趣味/所有物の誇示やコミュニティへの帰属は人間の高度な欲求に基づく行為であると考えられる。これらの行為は実世界のみならずネット内の活動においても観察することができる。本稿では、ネット内のコミュニティをシンボル化した物理タグを着用することで実世界とネット内での活動を融合し、興味の共有によるコミュニケーション支援や環境ディスプレイを介した気軽な情報アクセスを実現する手法について提案する。
(5)物探し支援ウェアラブルシステムのためのカメラ装着位置の検討:河野恭之(NAIST),三宅祐子,才脇直樹(奈良女子大学),河村竜幸,木戸出正継(NAIST)
本稿では,物探しタスク支援システムの日常での普及を目指して,衣生活に溶け込むシステムデザインを提案すると共に,日常生活における把持物体捕捉・ユーザの場所認知の立場からカメラ装着位置の検討を行う.
●招待講演 [13:30~15:00]
(6)インタラクティブ・アートからの発想 【人と機械をつなぐ勘所とは?】:森脇裕之(多摩美術大学)
1.インタラクティブ・アートについて
・美術館でインタラクティブをあつかうということは?
作品に触れることを許した美術館では・・・
・見るものの関係性の変化
作者と観客の図式が崩壊
・対立する概念
中央制御方式の限界
東西世界の比較、並列思考
2.電飾服、何がおもしろい?
・衣服をまとう、光をまとう。
生身の人間がまとうことによって、変容が起こる
身体性への理解
・触覚のダイナミックさについて
触覚の刺戟を誘発するような光の衣裳
3.インタラクティブから記憶へ
・時間と空間のとらえ方
瞬間と記憶、身体と空間
インタラクティブ・アートのとらえ方
・ダイナミックな記憶
瞬間ごとに書き換えられるダイナミックな記憶の集積
●一般セッション(2) [15:15~16:30]
(7)光センサと加速度計を用いたタグの位置・姿勢計測に基づくタンジブルテーブルトップインタフェース:川本海(筑波大),蔵田武志(産総研),酒田信親(筑波大),大隈隆史(産総研),葛岡英明(筑波大)
This Paper describes a novel method for measuring position and orientation of physical tags on a large tabletop display. This method employs a set of photo sensors and accelerators embedded in the tag to observe fiducial marker patterns shown on the display and predict the incoming position of the tag. In this paper, we especially propose a new fiducial marker pattern that is more robust in terms of ambient new light, unevenness of display luminance, and excess of measurement range than previously proposed. The new pattern also makes the physical tags smaller and less obtrusive. We finally show the results of several preliminary experiments that we conducted for each sensor device.
(8)Display-Based Computing の研究 第五報:ライトペンの試験的実装:小島稔,児玉和樹,中村享大,杉本麻樹,稲見昌彦(電気通信大学)
筆者らはディスプレイを主体として,位置計測,制御,通信を行うDisplay-Based Computingを提案している.今回ディスプレイに表示した指標画像と小型受光素子を用いることでCRTだけでなくLCDやPDP等でも正確に位置を検出可能なライトペンに関し報告を行う.
(9)Webカメラを用いた身振り認識によるユーザインタフェースの実現:大野健太朗,弘畑和秀(茨城工業高等専門学校 情報・電気電子工学専攻)
今日、Webカメラは主にチャット等の限られた用途内で用いられるのが主流となっている。そこで、Webカメラを用いて他のユーザインタフェースを提供することでWebカメラの使用用途の拡張を狙うことを目的とする。インターネットにおけるブラウザ等でマウスジェスチャーによりアクションを起こす機能が昨今使用されている。同様にWebカメラを用いてジェスチャーを認識させることで、マウス等と同じようなアクションを起こすことを実現させる。
参加募集
特集テーマ解説
情報処理技術はデジタルデータとネットワークというプラットフォームを介することで、場所や時間を越え、誰もが自由に個性を発揮できる世界を実現しています。その中で人間と情報の仲立ちとなるヒューマンインタフェースには多様な人間の要求を受け容れ、それにどう応えるかが求められています。今回のHI研究会は、サイバー世界と物質世界の境界面として多様な個性が激しく交錯する最前線である秋葉原で開催します。前回第117回の特集「いざなう(誘う)インタフェース」に引き続き、「受け容れるインタフェース」という特集テーマで、情報社会に誘われた、欲求や能力の異なる人々を暖かく迎え入れ、効率や機能はもちろんのこと、「また使いたくなる」「また訪れたくなる」感動と満足感を与えるようなインタラクションデザインへ取り組んだ論文を広く募集いたします。具体的にはユニバーサルデザイン、個人認証方式、認識のロバスト性を向上させるインタフェース技術、マルチモーダル・インタフェース、多言語インタフェース、異種メディアをシームレスに扱う表現制作支援、コミュニティ活性化インタフェース、新しいメディア表現やインタラクションを実現するハードウェア/ソフトウェア・プラットフォームやインタフェースなどが含まれますが、本テーマに関連するものであればこれに限りません。また、上記特集テーマ以外にも、一般のヒューマンインタフェースに関連するテーマも募集しています。奮ってご応募ください。
申し込み方法
下記内容を記した電子メールを下記照会/申込先までお送りください.メールの題名(subject)の先頭には半角英数字で [HI118:entry] を付けてください. 受理したものに関しては返信メールをお送りします.送付した後 5 日経過しても返信が届かない場合は再度電子メールで問い合わせください.
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HI研究会(第118回)発表申し込み

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連絡者住所:
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概要(200文字程度):
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照会/申込先
筑波大学コンピュータサイエンス専攻 志築文太郎
E-mail: sighi118@sighi.jp